タテの糸はあなた ヨコの糸は『齊藤麻弓』です。

わかりやすく織物について解説していこうという試みです。私的解釈に基づきます。

三本の矢

最近寒くなってきました。麻弓です。
手の乾燥がひどくなるので、仕事中に糸をひっかけてしまったりして困ります。気を付けないと。


今回は、まとまると強いよ~という話。

戦国武将・毛利元就は言いました。
「一本の矢は簡単に折れる。しかし、三本寄れば折れない!」
みたいなことを。

糸もそのようにして出来ています。
1本の糸は実はたくさんの繊維が寄り集まってできています。
織物もそのようにして出来ています。
織物にはタテの糸とヨコの糸が必要という話を以前しましたが、とりあえず別々に考えることにすると、
タテの糸はタテ方向にたくさんの糸が並んでいます。たくさんというのは、布の幅の分だけ並んでいる(たいていは一列に並んでいる)のがタテ糸なので、糸の太さとか密集具合によりますが、100本とか200本とかではたりないくらいです。1000本とか、それ以上のことの方が普通です。
ヨコの糸も同じように、ヨコ方向にたくさんの糸が並んでいます。こちらは布の長さの分だけ並んでいるわけで、通常はタテ糸よりも多い本数になるものです。

一本の糸を引っ張ったら…プチっと切れますね。しかし、たくさんの糸を一緒に引っ張ったって、そうそうには切れないわけです。
糸は案外強いので、素手で引っ張ったなら、20本もあれば手の方が負けることもしばしば。これが細い糸だったりすると、本当に手が切れてしまいます。痛すぎます。

と、いうことで、強い糸の束がタテ方向とヨコ方向に並んでいる。
それが組み合わされて織物はできている!
だから、織物は糸一本よりとってもとっても丈夫です。というお話でした。