ペラペラなんだけど…
言っておきたいことがあります!麻弓です!
とっても重大なこと!
「織物は立体ですっ!!!!」
よしっ!言ってやった!
デニムの生地とかを指で優しくなでてみると…デコボコしているのがわかりますか?
かたい糸とか太い糸などで織られた布だとわかりやすいのですが、見た目でも、デコボコのデコのところに光があたって明るく見えて、ボコのところには影ができているのがわかると思います。
目立ちはしませんが、ごく薄い布でも同じです。よくよく見るとデコボコしています。
布には厚みがあります。
布の厚みはその布を織るのに使われている糸の太さと同じではありません。
織物はタテの糸とヨコの糸を組み合わせて出来ているので、タテ糸とヨコ糸の重なりの分だけの厚さがうまれます。
織物を立体としてとらえることは、とても大事な考え方です。
織物を平面だと思っていると、織物がどのように出来ているかを考えにくくなります。
どうぞ、頭の片隅にでも『織物は立体』だという意識を置いてやってもらえたらと思います。
んー、今回はあまりおもしろい内容ではないですが、丸暗記だと思って、ぜひ織物に対する意識改革をお願いします。
三本の矢
最近寒くなってきました。麻弓です。
手の乾燥がひどくなるので、仕事中に糸をひっかけてしまったりして困ります。気を付けないと。
今回は、まとまると強いよ~という話。
戦国武将・毛利元就は言いました。
「一本の矢は簡単に折れる。しかし、三本寄れば折れない!」
みたいなことを。
糸もそのようにして出来ています。
1本の糸は実はたくさんの繊維が寄り集まってできています。
織物もそのようにして出来ています。
織物にはタテの糸とヨコの糸が必要という話を以前しましたが、とりあえず別々に考えることにすると、
タテの糸はタテ方向にたくさんの糸が並んでいます。たくさんというのは、布の幅の分だけ並んでいる(たいていは一列に並んでいる)のがタテ糸なので、糸の太さとか密集具合によりますが、100本とか200本とかではたりないくらいです。1000本とか、それ以上のことの方が普通です。
ヨコの糸も同じように、ヨコ方向にたくさんの糸が並んでいます。こちらは布の長さの分だけ並んでいるわけで、通常はタテ糸よりも多い本数になるものです。
一本の糸を引っ張ったら…プチっと切れますね。しかし、たくさんの糸を一緒に引っ張ったって、そうそうには切れないわけです。
糸は案外強いので、素手で引っ張ったなら、20本もあれば手の方が負けることもしばしば。これが細い糸だったりすると、本当に手が切れてしまいます。痛すぎます。
と、いうことで、強い糸の束がタテ方向とヨコ方向に並んでいる。
それが組み合わされて織物はできている!
だから、織物は糸一本よりとってもとっても丈夫です。というお話でした。
とうふ
どうも、麻弓です。
シルクスイートという名前のサツマイモを食べました。ねっとり甘くて美味じゃった♪
シルクって『絹(キヌ)』のことですが、これは織物に糸としてよく使われる材料です。
他にも『木綿(モメン)』という材料がよく使われていますが、どちらも聞いたことありますか?
生活の中でこの単語をよく目にするのは…『とうふ』です。
とうふに絹と木綿の名前が使われているのは、
木綿はとうふ作りの固める過程で木綿の布を実際に使うからだそう。その布のあとがとうふの表面にもついていますよね。網目もようみたいに。
一方、絹は単に『舌ざわりがなめらか』ということでついた名前なんだとか。とうふ作りに絹の布を使うわけではありません。
そりゃそうだ!
絹は高価ですからね。お料理の道具として使ってしまおうだなんて、そんなことはまずしませんね。
そして、絹の特徴『なめらか』。
絹はツルっとスベっとなめらかな肌ざわり。これは食べ物の名前に使われるくらい一般的な印象なんですね。サツマイモのシルクスイートもなめらかで甘いってことでしょうね、きっと。
まぁ、絹は最初からなめらかなわけではないですけどね…通常はツヤサラなめらかな状態にしてから使うということで。
そして、庶民の代表格みたいな木綿ですが、こんなに一般的になったのはそんなに昔からのことではないという事実…。
糸の材料となる繊維(センイ)は奥が深いです。私もまだまだ勉強中。
とりあえず、今回はとうふにも織物がかくれているよ~というお話でした。
では、また~
ハタオリの始め方 ~私の場合③~
今日もししとうに当りました、麻弓です。
かなり高確率で当たるんですよね…辛かったなぁ。
さて、今回は『ハタオリの始め方』の続きです。
前回は、茨城県の結城紬を始めようとして、後継者育成事業があるらしいとわかったところまで書きました。
そう!そしてうまくいかなかった!
理由は単純。
私が茨城県民ではなかったからです。
当時、実家暮らしの私。埼玉県民でした。
地元の人じゃないと受け入れていないと拒否されてしまったのです。
うーん、それは仕方がないかもね。でもまぁ、百聞は一見にしかずかな…とりあえず現地に行ってみよう!
と、いうことで、結城市に行ってみました。現地の問屋さんにちょっとした結城紬資料館っぽいものがあったので、そこをお訪ねしたんです。そこの係員の方とお話ししているときに、私は素直に言ってみました。
「結城紬織りたいんですけど…」
すると、
「そうなの?じゃあ、紹介してあげよう!」
えぇ~~~っ!!!? いいの~~~っ!!!!?
そんなトントン拍子に思わぬ形で就職先が決まったのでした!
なんて簡単!びっくり!
これは単なるラッキーだったのか…ご縁だったんですかねぇ。まさかどこの誰ともわからない私をサラっと紹介してくださるなんてねぇ。
とにかく結果オーライ!
気になるところには行ってみるものですね。
さぁ!こうして、楽しいハタオリ人生が始まったのでした!
織り成す布は…
こんばんは。
平日なのにワインを飲んでしまった…麻弓です。おいしかったなぁ。
今回は『布のこと』から持ち越した『織物と編物の見分け方』についてです。
ブログのタイトルにも拝借しております、中島みゆきさんの名曲『糸』。そのサビの歌詞に、
♪たての糸はあなた~よこの糸は私~織り成す布は~いつか誰かを~~
とあります。
はい!正解っ!!
織物にはタテ糸とヨコ糸があります。これら2つがないと『織り成す布』とは言えないわけです。
タテの糸は織りはじめる前に作りたい布の幅・長さの分の全てを用意しなければなりません。これは後からなかなか融通をきかせることができません。織物を作るにはまずタテの糸が必要です。
ヨコの糸はタテの糸の間にひっかけて入れていきます。なんでもいいとまでは言えないものの、こちらはかなり融通がききます。
まぁ、詳しくはまたいずれ~
この歌詞がよくできているなぁと思うところは、タテの糸があなたであって、ヨコの糸が私であるところです。
相手をどうこうするのでなくて、自分が柔軟であれ!ということかなと思います。
ホントにそういう意味で中島さんが書いたかは知りませんが、織物の出来方を知っていると、こんな解釈をしちゃうわけです。
さて、対して編物ですが、こちらは一本の糸をからませながら布にしていきます。
たいていは、糸を輪っか状にしたところに、その続きの糸を通して、その通した部分をまた輪っか状にして…ということをくりかえして布にするようです。
で、その見分け方は
引っぱるとどっちに伸びるか!?
です。
編物はとにかくよく伸びます。どの方向にも伸びます。なので、伸びると都合のいいものに使われますね。靴下とかハイネックのセーターとか。
織物はナナメ方向にしか伸びません。伸びる糸を使っていない限り、タテにもヨコにも、使われている糸の特性以上にはあまり伸びないのです。これは型くずれしてほしくないものに向いています。ワイシャツとかジャケットとかね。
さあ!皆さん!
身近な布たちを手当たり次第に引っぱってみましょう!
そこにあるのは織物ですか?編物ですか?
布のこと。
こんばんは。睡魔と格闘中の麻弓です。
ハタオリ始めました編を書くのに少々飽いたので、今日はちょぴり本題に入ろうかなと思います。
『布』についてです。
衣食住と申しますが、布から連想するのはまず「衣」だろうと思います。言わずもがな、服ですよね。しかし、はたして「衣」だけでしょうか? 否! 「食」にも「住」にも布は用いられています。
まぁ、「食」とは言っても直接食べるわけではありませんけど、ふきんとかランチョンマットとか、食事と密接な関係をもつ布たちが活躍しています。
「住」で活躍する布たちはもっと多彩です。布団やクッション、カーテン、ソファ、スリッパ、はたまた壁紙なんかもそうです。
そう!私たちの周りは布たちで溢れています!
そんな布ですが、全部がハタオリによって作られているわけではありません。
布をザックリ種類分けすると
・織物
・編物
・その他
という区分になると思います。
その他っていうのは、革とかそういうの。もともと一枚のペラペラ状だったり、厚みのあるのを叩いて伸ばしてペラペラにしたりしたやつ。他には細かい繊維をくっつけて布状にした不織布(フショクフ)とか、細かい繊維を絡み合わせて布にしたフェルトとか。とにかく、糸に出来ないくらい繊維
を細かくして、どうにかこうにかくっつけたやつです。
私は専門外なので詳しくはわかりません。あしからず。
なので、実質的には『織物』か『編物』かという分け方になると思います。
見分け方は…また次回!
…おやすみなさい。
ハタオリの始め方 ~私の場合②~
今日の京都は晴天でしたよ。麻弓です。
天高く馬肥ゆる秋~かな。パンフェスティバルを目的に行った上賀茂神社で、走らせた馬から矢を射る神事をしていました。カサガケとかなんとか言うやつでした。カッコよかったなぁ。
でも、目的のパンは売り切れで買えず。残念!
さて、前回のつづきです。
機織りをしようと決めてから、何をしたかというと…まぁ、とりあえず調べてみましたよね。なんせ、機織りのハの字も、織物のオの字も知らなかったんですから!バリバリの理系だったんですからっ!
(今は織物って理系だなぁと思うところもあります。このへんの話はおいおいしていくつもり。)
そう!私だって何も知らなかったんです!堂々と言うのもなんですが、それが当たり前ですもの。誰にでも何にでも最初ってありますからね!
とっかかりが何もわからなかったし、当時から私の思考は情報社会についていけていなかったので、まず本を買ってみました。日本国内でどこでどんな織物や染物してますよ…ということがペロッと簡単に書いてある感じの本でした。
そしたらまぁ!あるわ!あるわ!こんなに色んな土地で色んなものづくりが行われているのかと驚きました。
そして当然、どうやったら働けますよ~なんて親切なことは書いていないわけです。後継者募集中~とかいうのもない。あたりまえです。
どうしたら良いものか…芸術系の大学や専門学校に入り直すとかしないといけないのだろうか……しかし、今からまた学校となると卒業したら何歳になっているのか?でも、学校なら先生のツテとかで働き先がみつかるとかあるのでは??
困りましたね。ほんと。
で、悩んでいるままに、時期も時期だったので、「私、機織りしたいんです!でも、まだ詳細は未定!」と親に宣言。もっとやんわり言いましたけどね。 まぁ、大学で物理を勉強しているはずの娘が突然の鞍替え宣言ですよ。うちの親も戸惑ったことでしょうね…でも、なんとか合意を得まして、父が言いましたとさ。「今さら学校もないだろう。そういうのは現場で身につけなきゃ話にならん。その方が早道だ。」みたいなことを。
なるほど!
それならココがいい!と、最初に買ったペロッとした本から私が選んだのが『結城紬』でした。ユウキツムギです。
茨城県の結城市の紬織物です。(紬がどんなものかはまた今度。今はそんなものがあるのか~くらいの適当な感じで聞き流して下さい。)
決め手は2つ。
①結城紬は重要無形文化財
②頑張れば実家から通える
人間国宝という言葉はご存知ですか?重要無形文化財というのはそれと同じです。正式名称ですかね。個人だと人間国宝って呼ばれたりするんです。結城紬は団体で指定されているので、そのまま重要無形文化財としか呼べません。現在は、世界遺産にもなっているはず。
そんなに凄いものなら是非やってみたい!素晴らしいとお墨付きのものなら間違いないだろう!せっかくやるのなら最高峰を!
と、まぁ、安直に。
それと、現実問題ですね。
当然、最初から収入は見込めない。なんせ修行なんだもの。それならやっぱり近い方がいいかもなぁ…。
ということで、結城紬をもちょいと調べてみよう!しかし、ネット検索とかかけてもあまりひっかからなかったんです。あまり外向けに情報を出していないのじゃないかと思います。そんな中で、後継者育成事業的なのを行っている施設があるのを発見!しめたっ!早速問い合わせ!
でもねぇ、そう上手くはいかなかったんです…。
はい、またつづく。
なかなか内容が織物のことにたどり着かなくてすみません~。
もうしばらく私と織物の出会いのすったもんだ話にお付き合いください。